無線タクシーとは?意味や歴史を徹底解説!
2022.01.13
昔、タクシーの運転席にある無線機から声を聞いた経験はありませんか。「そういえば、いつの間にか聞かなくなったな~」と思われる人もいるかもしれません。実は無線タクシーは、私たちの知らないところで時代の流れとともに変化しているのです。
この記事では、無線タクシーの使われ方や必要な免許、歴史について解説しています。無線タクシーに興味のある方は、ぜひ最後までお読み下さい。
目次
無線タクシーとは
無線タクシーのドライバーは、具体的にどのように業務を行っているのでしょうか。
まずは、無線タクシーの基本について、詳しくみていきましょう。
無線タクシーって何?
そもそも「無線タクシー」という言葉に馴染みがない、という方もたくさんいると思います。無線タクシーとは、その名の通り「無線機で通信を行うタクシー」のことです。車内に取り付けられている無線機で、ドライバーとタクシー会社が業務連絡を行います。配車をスピーディーに効率良く行うためには、欠かせないシステムなのです。
無線タクシーの配車はどうやって行われる?
では実際に、無線機を使ってどのように配車が行われているのでしょうか。その仕組みは、一般的に以下のような流れとなっています。
タクシー会社が、利用者から配車依頼を受け付ける
利用者がタクシー会社に電話し、指定した場所にタクシーに来てもらうよう要望します。オペレーターは、利用者の名前や希望する迎車場所、目的地などを聞きます。
タクシー会社が、無線機で対応可能なドライバーを確認する
依頼を受け付けたタクシー会社が、空車のドライバーに対応可能か無線機で尋ねます。迎車できると返答したドライバーに、利用者の具体的な情報などを伝えます。
ドライバーが利用者を迎えに行く
タクシー会社から指示を出された場所にドライバーが向かいます。依頼した利用者は、迎車場所で待ち、タクシーが来たら乗車します。
このように、タクシー会社とドライバーが通信することで、業務の効率化を図っています。
無線のおかげで、私たちは快適にタクシーを利用することができるのです。
タクシーの無線機を使うための免許は必要なの?
無線タクシーでは、「一般業務用無線」と呼ばれる無線機を使っています。一般業務用無線は、公共事業用と一般企業用があり、タクシーで用いられるのは後者です。「では専用の免許を持っていないと、タクシーの無線を使えないの?」タクシードライバーに興味があるという方は、このような疑問を持たれるかもしれません。無線機の利用には「第3級陸上特殊無線技士」以上の免許を持っている必要があります。陸上特殊無線技士とは、陸上の無線機を扱うために取得しなければならない国家資格です。公益財団法人日本無線協会によって、毎年3回試験が実施されています。しかし、タクシーの無線を用いるには、必ず免許を取得しなければならないわけではありません。主任無線従事者に選任された人の監督下なら、資格を持っていない人でも無線を使えます。このような決まりを「主任無線従事者制度」といいます。つまり、タクシーの無線を扱うドライバー全員が免許を保有しているとは限らないのです。
無線タクシーの変遷
無線タクシーの歴史は長く、時が経つにつれて目覚ましい進化を遂げています。そんな無線タクシーの誕生から、デジタル化に至るまでの経緯について説明します。
無線タクシーの歴史
国内初の無線タクシーが登場したのは、1953年です。北海道札幌市にある交通会社によって、利用が開始されました。この頃はちょうど、国内初の白黒テレビが発売された年でもあります。1970年代になると、AVMと呼ばれる車両位置自動表示システムが導入されはじめました。AVMとは、タクシーの位置情報や運行状況が分かるシステムのことです。これにより、配車依頼された会社は、どのタクシーが迎車場所に近いか分かるようになりました。AVMによって、以前よりも最短最速でタクシーを配車できるようになったのです。
2000年代に入ると「IT革命」といわれるほど、デジタル化が一気に進みます。テレビやカメラ、携帯など様々なモノが急速な発展を遂げ、人々を驚かせました。こうした科学の進歩は家電だけでなくタクシー業界にも大きな影響を与えていきます。
2003年、無線タクシーは本格的にデジタル回線を導入するようになりました。従来の音声のやり取りに加え、視覚的なデータの共有も可能になったのです。これにより通信速度が上がっただけでなく、送信できる情報量も格段に増えていきました。デジタル回線の使用がスタートしたことで、タクシーの歴史に大きな革命が起きたのです。
そして全国自動車無線連合会は、2016年までにタクシーの完全デジタル化を決定しました。
変わり続けていくタクシー
タクシーは、人を乗せて運ぶサービスという点では、昔からずっと変わりません。ですが、私たちが知らないところで無線タクシーはどんどん向上していたのです。無線に限らず、利用者がもっと便利に利用できるよう、今も新しい要素が増え続けています。最近では、アプリで配車依頼できたり、買い物代行サービスを行ったりする会社も登場しました。
今後もタクシー業界が、どのように発展していくのか、注目したいところです。