深夜の割増料金の計算方法を解説
2022.04.27
夜中に急ぎの用事ができた時、お酒を飲んだ時などはタクシーを利用したくなりますが、割増料金がかかるせいでためらってしまう方も多いかもしれません。
深夜になると、タクシー料金が上がるのは知っていても、どのくらい料金が追加されるのかが分からないと、いくらかかるか不安になってしまうものです。
ここでは、何時から深夜料金になるのか、またその計算方法を紹介します。
目次
なぜタクシーに深夜料金があるのか
タクシーに深夜料金があるのは、労働基準法の第37条④で「午後十時から午前五時までの間に労働させた場合は、通常の労働時間の賃金の計算額の2割5分以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。」という規定があるからです。
タクシードライバーに限らず、夜10時から朝5時までの時間帯に働いた場合は、会社は2割5分以上の賃金を支払わなければならないので、その分の人件費が料金に転嫁されるのです。
深夜料金が適用されるのは何時?
深夜料金が適用されるのは、労働基準法で定められている「22時から5時まで」というのが基本です。
ただし、地域によっては23時から適用されることもあるので、利用する際にはタクシー会社に確認しましょう。
乗車している時間と深夜料金の時間帯について
深夜の割増料金が発生する時間帯は22時から5時まで(一部例外あり)となっていますが、乗車する時間や下車する時間がまたがった場合、どうなるか気になる方もいるでしょう。
深夜料金の切り替えは自動となっているため、乗車中に深夜の時間帯になると自動的に「割増」になります。
また、乗車中に「割増」の時間帯が終わると自動的に通常運賃に戻ります。
つまり、乗車した時間が通常料金であっても、割増が適用される時間に乗っている間は深夜の料金が適用され、逆に深夜料金の時間帯に乗車したとしても、通常料金の時間帯に戻れば、その後の料金には割増は適用されません。
深夜料金の仕組みとは?
深夜料金が発生する理由や時間帯が分かったら、次はどのような仕組みで計算されるのかを見ていきましょう。
深夜料金の割増率はどれぐらい?
深夜料金の割増率は、「日中の料金の2割増し」というのが基本となっています。
ここで間違わないようにしたいのが、合計金額が2割分増えるのではなく、加算料金がかかる距離が2割分短くなるということです。
たとえば、初乗りの距離が1kmで初乗り運賃が500円、加算運賃が200mごとに100円という料金設定の場合は、初乗りが約800mで500円、加算運賃は約160mごとという計算方法になります。
深夜料金の計算方法について
タクシーの料金というのは、距離だけで決まるのではなく、渋滞などで乗車時間が長くなったり、貸し切ったりすると時間の分も運賃に加算されます。
また、指定の場所まで迎えに来てもらったり、時間を指定して予約したりすると、「迎車料金」や「予約料金」も追加されます。
このように、利用する環境によって内訳が異なるので、深夜料金を正確に算出することはできないのですが、基本の算出方法を覚えておくと、ある程度の予測はつけられます。
まずは、以下の4つの内訳を算出してください。
・目的地までの走行距離(例:目的地まで5km)
・利用するタクシー会社の初乗り運賃
(例:1kmの場合は、1000m÷1.2(割増分)=約800m)
・利用するタクシー会社の加算運賃
(例:200mごとに100円の場合は200÷1.2(割増分)=約160mで100円)
・時間距離併用制運賃(例:2分ごとに100円)
それぞれの内訳を算出したら、以下の式に当てはめてみましょう。
「目的地までの走行距離-初乗り距離」÷「加算距離」
例に沿って計算すると「5km-800m」÷「160m」=約26(加算運賃がかかる回数)が算出できます。
加算運賃がかかる回数が約26回なので、加算運賃の合計は「26回」×「100円(加算運賃)」=2600円となります。
ここまで算出できたら、最後は合計金額の計算式に当てはめて計算しましょう。
「2,600円(加算運賃の合計)」+「500円(初乗り運賃)」=3,100円(深夜料金の合計)
※時間距離併用制運賃は渋滞などがあった場合にかかるものなので、ここでは計算に入れませんが、繁華街や道路工事などで渋滞が予想される地域では、予測分数の料金を足してください)。
夜にタクシーを利用する時は深夜料金の仕組みを理解しておこう
深夜は、「料金が高いからタクシーに乗らない」と決めていても、公共交通機関の運行が終了してしまうため、必要な時には利用するしかありません。
深夜料金の仕組みを理解したり、適用される時間帯が分かったりしていれば、何も知らない状態よりは安心して利用できるでしょう。
また、タクシーアプリを活用すれば、利用時間や想定距離から事前に運賃を確定することができるので、お金の心配をする必要もありません。
タクシーは、必要な時にいつでも利用できるように、割増料金の仕組みやお得なシステムをしっかり頭に入れておきましょう。